石破茂首相退陣の経緯とX（旧Twitter）の反応：政権末期の混乱と国民の声

導入：石破政権の短命な軌跡

2024年秋に自民党総裁に選出され、首相に就任した石破茂氏の政権は、わずか1年足らずで幕を閉じようとしている。2025年9月7日、石破首相は記者会見で退陣を正式に表明した。「米国関税措置に関する交渉に1つの区切りがついた今こそが然るべきタイミング」と述べ、自身の進退について「選挙結果の責任は自分にある」と語った。これにより、自民党内で後継総裁を選ぶ総裁選が前倒しで実施される見通しだ。石破政権は、就任当初の期待に反し、衆参両院での与党過半数割れという厳しい現実を背負い、党内分裂と国民の不満を招いた末の退陣となった。本記事では、その経緯を時系列で振り返り、X（旧Twitter）上の反応をまとめて分析する。

退陣の経緯：参院選大敗から党内「石破おろし」へ

石破首相の退陣劇は、2025年7月20日投開票の参議院選挙（参院選）を転機に始まった。この選挙で自民・公明の与党連合は、目標の50議席を下回る大敗を喫し、参院全体の過半数（125議席）を割り、衆院に続く「少数与党」状態に陥った。非改選議席を含めても与党の議席は減少、国民民主党や参政党の躍進が目立った結果、政権の求心力は一気に低下した。

選挙直後（7月21日）：続投表明と党内反発の始まり

石破首相は選挙翌日の記者会見で、「比較第一党としての責任を果たす」「国政に停滞を招かない」と続投を正式表明した。日米関税交渉の進展や物価高対策、災害対応を理由に挙げ、「茨の道に進む覚悟」と強調。しかし、党内では即座に反発が噴出。中堅・若手議員を中心に「石破おろし」が加速した。西田昌司参院議員はYouTubeで「続投はあり得ない」と批判、鈴木英敬衆院議員はXで「選挙の審判を軽視している」と退陣を促した。自民党青年局は同月25日、執行部に「事実上の退陣」を求める文書を提出。地方組織からも新潟、富山、兵庫、栃木などの県連が退陣要求を相次いで表明した。

7月23日：日米関税合意と退陣報道の浮上

選挙敗北の「花道」として期待された日米関税交渉が同日合意に達した。トランプ米政権との間で自動車関税を15%に引き下げる内容で、石破首相は「実行責任を果たす」と述べた。しかし、この合意を機に退陣報道が一気に広がった。毎日新聞は「8月末までに退陣表明の意向を固めた」と報じ、石破氏は麻生太郎最高顧問、菅義偉副総裁、岸田文雄前首相らと会談。林芳正官房長官は報道を否定したが、党内では「石破降ろし」が本格化。茂木敏充前幹事長はYouTubeで「党再生のためリーダー交代が必要」と退陣を要求した。朝日新聞の世論調査では、退陣すべきが41%、必要ないが47%と拮抗したが、党内署名活動（両院議員総会開催要求）で3分の1以上の議員が集まり、圧力が高まった。

7月25-28日：両院議員懇談会での攻防

7月28日の自民党両院議員懇談会（出席236人）は、退陣劇のヤマ場となった。石破首相は「政治空白を生まないよう責任を果たす」と続投を訴え、森山裕幹事長も引責辞任の意向を示したが、約60人の議員から退陣要求が相次いだ。小林鷹之元経済安全保障担当相は「トップの責任を考えろ」、青山繁晴氏は「すぐに辞職せよ」と迫った。懇談会は予定の2時間を大幅に超える4時間半に及び、首相は「国民世論と党の考えを総合的に判断」と曖昧に語った。森山幹事長は参院選総括委員会を設置し、8月中の報告書策定を約束したが、党内分裂は深まった。読売新聞は号外で「退陣」を報じたが、石破氏は3度否定し、居座りを続けた。

8月以降の長期化：翻意と党内疲弊

8月中の参院選総括報告書を区切りに退陣が予想されたが、石破首相は「しかるべき時期に決断」と先送り。消費税減税、衆院解散、戦後80年検証などで発言を翻す「石破氏の揺らぎ」が批判を招き、支持率は29%（毎日新聞調査）に低下。党内では高市早苗元政調会長や小泉進次郎農相らが後継候補として浮上したが、保守派の台頭を警戒する声も。9月に入り、党内対立が頂点に達し、石破氏は「党の分裂を避ける苦渋の決断」として退陣を決断。日米関税合意の「区切り」を理由に挙げたが、実際は「石破おろし」の圧力に屈した形だ。後任総裁選では林芳正官房長官、加藤勝信財務相、高市氏らが名乗りを上げ、党内の保守回帰が予想される。

この経緯は、石破政権の「少数与党運営」の失敗を象徴する。選挙大敗後の続投表明は「厚顔無恥」との批判を呼び、党内・世論の乖離を招いた。退陣表明後、国民民主党の玉木雄一郎代表は「政治空白が長引いた」と残念がり、韓国メディアは高市氏浮上への警戒を報じた。

X（旧Twitter）の反応：退陣要求から「辞めるな」運動まで多様な声

X上では、石破退陣をめぐる議論が活発化。検索クエリ「石破首相 退陣」では、7月21日以降の投稿が急増し、Latestモードで20件、Semantic Searchで15件の関連ポストを抽出。反応は主に「退陣要求」「続投擁護」「保守派懸念」の3つに分かれ、総エンゲージメント（Likes/Reposts）は数万に上った。以下に主な声をカテゴリ別にまとめる（投稿IDに基づく引用、匿名化）。

退陣要求の声（約60%）：党内責任論と国民不満

• 藤井聡氏（@SF_SatoshiFujii）： 「遅すぎる退陣。最低の首相」（Likes:5418, Reposts:1018）
• 門田隆将氏（@KadotaRyusho）： 「居座る姿は惨め。自民党の信頼を損なう」（Likes:6335, Reposts:1444）
• 一般ユーザー（@netsensor1）： 「参院選惨敗の責任を取れ」「外国に血税バラまきは許せない」（Likes:246）
• 一般ユーザー（@ots3548）： 「解散ちらつかせ延命は民主主義の愚挙」（Likes:6）
• 佐藤誠氏（@Makoto_OB）： 「ぐずぐず態度は無責任」（Likes:200）

これらは党内署名活動や地方県連の動きを反映し、退陣圧力を加速させた。

続投擁護の声（約20%）：安定重視と「石破辞めるな」運動

• 共同通信ヘイト問題取材班（@kyodonohate）： 「大敗は首相だけの責任ではない。自民以外の支持者が保守化を懸念」（Likes:1383, Reposts:558）
• Retar.jp（@retar_jp）： 「次の首相がもっと悪い人になりそう」（Likes:0だが拡散）
• 激バズ3rd（@gekibnews）： 「総理交代のため不信任案を出すべき？」（Likes:2849, Reposts:507）
• 石川県津幡町緑が丘復興の会（@fukko_midori）： 「お疲れ様。防災庁創設を推進してくれた」（Likes:1）

これらは政治空白回避を求める声で、朝日新聞調査の「辞める必要ない47%」を反映。

保守派懸念と次期首相議論（約20%）：高市氏浮上への警戒

• ドンマイおじさん（@don_mai_don_mai）： 「高市さん応援！」（Likes:7）
• 一般ユーザー（@BKOIJdn5BkRP2QL）： 「高市氏浮上で日韓関係悪化懸念」（Likes:0）
• 楊井人文氏（@yanai_factcheck）： 「発言翻意のマイナス要素を過小評価」（Likes:30）
• 香山リカ氏（@rkayama）： 読売の号外報道を揶揄（Likes:133）
• 七視七士（@19e75361i103u）： 「責任回避の姿勢が不信を助長」（Likes:0）

Xの反応は、退陣表明直後にピークを迎え、総投稿数は数万件超。保守層の「天命を下った退陣」（産経新聞引用）とリベラル層の「空白長引かせ残念」（玉木代表引用）が対立。エンゲージメントが高い投稿は批判寄りだが、擁護派の拡散力も無視できない。

結論：退陣は自民再生の第一歩か、新たな混乱の始まりか

石破首相の退陣は、参院選大敗を起点とした党内圧力の産物だ。就任時の「地方重視」「防災強化」の公約は、日米関税合意という成果を生んだものの、少数与党運営の失敗と発言の揺らぎが致命傷となった。Xの声は、国民の分断を映し出す鏡。退陣要求が主流ながら、続投派の「安定」論や保守懸念も根強い。自民党は総裁選で高市氏や林氏らの争いを経て再生を図るが、衆院選の再敗北リスクは残る。石破氏の「解党的な出直し」発言通り、党の「古い体質」刷新が鍵だ。政治空白を最小限に抑え、国民生活優先の新政権が求められる今、Xの議論は今後も注視に値する。